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BtoBデジタルマーケティングには、SEOやWeb広告、Webコンテンツ制作、メルマガ配信を始めとするMA施策など、さまざまな施策があります。
もちろん、効果が期待できる施策をすべて実施できればよいのですが、実際には施策にかけられる予算や人的リソースには限りがあります。そのため、数ある施策の中から、優先順位をつけて取り組んでいく必要があります。
では、マーケティング部門で設定されているKGIを達成するために、どの施策から取り組めばよいのでしょうか。
その優先順位を考えるために、まずはKGIをKPIに分解してみましょう。KGIがどのような数字によって成り立っているのかを整理すると、どこに施策を打つべきかを考えやすくなります。
今回は、具体的な数字を使いながら、取り組む施策を考えてみます。
まずはKGIとKPIを簡単に整理しよう
最初に、KGIとKPIについて簡単に整理しておきます。
KGI(Key Goal Indicator)は、最終的に達成したい目標を数値化したものです。一方、KPI(Key Performance Indicator)は、KGIを達成するまでの途中経過を確認するための指標です。
例えば、マーケティング部門のKGIとして「営業への引き渡し件数」が設定されている場合を考えてみましょう。このKGIに対してのKPIとして、Webサイトへの流入数やCV数、営業引き渡し率などが考えられます。
今回は、「営業への引き渡し件数」がKGIとして設定されているケースを例に考えていきます。
KGIをKPIに分解してみよう
営業への引き渡し件数というKGIが設定されていても、それだけでは「SEOに取り組むべきなのか」や「Webサイトを改善するべきなのか」、「メールやMAを活用するべきなのか」といった施策の優先順位までは分かりません。
そこで、KGIに繋がっている数字をKPIに分解して考えてみます。
例えば、Webサイト経由の営業引き渡し件数であれば、次のように分解できます。
Web経由の営業引き渡し件数
= CV数 × 営業引き渡し率
= Webサイトへの流入数 × CV率 × 営業引き渡し率
このように分解すると、「流入数」や「CV率」、「営業引き渡し率」といった、KGIに繋がる数字が見えてきます。
これは、KGIをKPIに分解した一例です。実際の支援では、スパムや営業目的の問い合わせなどを除いた「有効リード」を定義し、CVと営業引き渡しの間のKPIとして設定したこともあります。自社のマーケティングや営業のプロセスに合わせて、KGIに繋がるKPIを分解してみましょう。
KPIを分解したら、現在の数字を可視化してみよう
KGIに繋がるKPIを整理したら、それぞれの現在の数字を確認してみましょう。先ほどの例であれば、流入数やCV率、CV数、営業引き渡し率、営業引き渡し件数などです。
こうした数値を把握するには、GA4やMA、CRM、SFAなどを使って、必要な数値を確認できるように可視化しておきます。今回は、必要なKPIが可視化され、現在の数値を追える状態になっているとしましょう。
ここからは、設定されているKGIと現在の数字との差を確認し、その差を埋めるためにはどのKPIをどのくらい動かす必要があるのかを考えてみます。
KGIを達成するには、どのKPIをどこまで改善すればよい?
ここからは、架空の数字を使って考えてみます。
なお、これから使用するCV率や営業引き渡し率などは、考え方を説明するための数字です。業界平均や目安として示しているものではありません。
新規リードの獲得からKGI達成を考える場合
あるBtoB企業では、Webサイト経由の営業引き渡し件数について、月間50件がKGIとして設定されているとします。
現在の数字は以下の表とします。
| KPI | 月間の現在値 |
|---|---|
| Webサイト流入数 | 20,000 |
| CV率 | 1.0% |
| CV数 | 200件 |
| 営業引き渡し率 | 20% |
| 営業引き渡し件数 | 40件 |
現在の営業引き渡し件数は月間40件なので、KGIの50件を達成するには、あと10件増やす必要があります。
では、この10件を増やすには、どのKPIをどこまで改善すればよいのでしょうか。
例えば、流入数を増やすことで50件を目指す場合を考えてみます。
25,000 × 1.0% × 20% = 50件
現在の流入数は20,000なので、25,000まで増やす必要があります。割合にすると25%の増加です。
一方、流入数と営業引き渡し率を変えず、CV率を改善することで50件を目指す場合はどうでしょうか。
20,000 × 1.25% × 20% = 50件
この場合、CV率を現在の1.0%から1.25%まで改善すると、KGIの50件に届く計算です。
このようにKGIから逆算してみると、流入数であれば20,000から25,000、CV率であれば1.0%から1.25%と、それぞれのKPIをどこまで動かす必要があるのかが見えてきます。もちろん、この数字だけを見て、どちらに取り組むかを決めるわけではありません。
流入数を25%増やす余地があるのか、CV率を1.25%まで改善できそうなのか。それぞれの現状を確認した上で、改善余地や施策の難易度、必要なコストなどを比較します。
その結果、CV率に改善余地がありそうであれば、フォームの改善、ポップアップの追加、資料ダウンロードなどの中間CVの設置、サービスページや導入事例への導線改善などが施策の候補になります。
一方、流入数を増やすほうが現実的なのであれば、SEOやWeb広告などが候補になるかもしれません。
最初から「SEOをやる」や「フォームを改善する」と施策を決めるのではなく、設定されているKGIから逆算し、どのKPIをどこまで動かす必要があるのかを確認してから、具体的な施策を考えていきます。
新規リードだけでなく、すでに保有しているリードも含めて考えてみよう
次は、過去に獲得したリードが蓄積されているケースを考えてみましょう。
保有リードの活用からKGI達成を考える場合
ある会社では、年間の営業引き渡し件数500件がKGIとして設定されているとします。
この会社では展示会へ継続的に出展しており、毎年2,000件程度の新規リードを獲得しています。その年に獲得した展示会リードのうち、20%を営業へ引き渡しているとすると、現在の営業引き渡し件数は年間400件です。
2,000件 × 20% = 400件
KGIとして設定されている500件を達成するには、あと100件の営業引き渡しが必要です。一方、この会社には、過去数年間で獲得した10,000件のリードがMAやCRMに蓄積されており、継続的なナーチャリング(育成)はほとんど行われていないとします。
この10,000件を活用する場合を考えてみましょう。100件の営業引き渡しを増やすのであれば、必要な営業引き渡し率は1%です。
10,000件 × 1% = 100件
つまり、過去に獲得した10,000件のリードのうち1%を営業へ引き渡すことができれば、現在の400件に100件が加わり、KGIである年間500件に届く計算になります。
なお、この1%は、ナーチャリングを行えば実際に達成できるという数字ではありません。考え方を説明するための架空の数字です。
過去に獲得したリードの活用に余地がありそうであれば、メルマガ配信や保有リード向けウェビナー、MAを使ったナーチャリングなどが施策の候補になります。
KGI達成への影響を見ながら、取り組む施策を考えよう
BtoBデジタルマーケティングの施策を考える際は、施策ありきで考えるのではなく、設定されているKGIから逆算して、どのKPIをどの程度改善すればよいのかを考えてみましょう。
そして、自社の現状や改善余地、施策の難易度、必要なコスト、社内のリソースなども踏まえながら、優先順位をつけて施策に取り組んでいきましょう。